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電波女と青春男 第04話 『右腕骨折全治一箇月』

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青春ポイントの話をしよう。それは青春ぽい体験をすると獲得できるポイントのことで、1度の行動による上限は5点。行動の一例を挙げるとまず1点。
休み時間に女子と他愛もない話をしたり、学校帰りに友達と飯を食うなど、学生生活を全うしていれば大抵日常的に加算されるポイントのこと。
ただし青春ポイントは放っておくと日々減退していく。理由は、その時は楽しかったけど、後々振り返れば特質した思い出がなかったりするから。
次に2点。これは夜の公園で同年代の女子と会話するなど、1点の行動に、状況が加味することで加算されます。1点が基本ならばこちらは応用。
ポイントが多いと死ぬ間際に満足感が得られる……なんて、暇だったから即興で定義してみただけの話。青春ポイントの代償は入院でした…。

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前回、自転車に乗ってエリオとともに海にダイブした真が無事なわけはなく…海面に飛び込んで激突した際、右腕の骨が、結構複雑に折れてしまい、
浜辺まで帰るのは一苦労だったようです。腕の痛みが酷すぎて真まで泣きっ面。自転車は海底まっしぐら。溺れなかったのが不幸中の幸いでした。
真は通学の足を失い、エリオはすがっていたわらの希望が手の中からすり抜けて…果たして意味はあったのかと疑問よりも反省の念を抱く真。
余計な事をしてしまったのではないかという気持ちも抱きつつ、海から上がってからは終始無言で、最後には握っていた手すら離れてしまいました。

そんなことを思い出しつつ、1度病室を出て戻ってきたら、明らかに布団の中に誰かいます。試しにめくってみるとそこには制服姿の流子が……
と思ったけどもこれは真の妄想。前川さんがナース服で、ってのも妄想。再びめくるとそこには女々さんが…。これも妄想…であってほしかった。
しかし、病院に駆け付けた女々さんは、ずぶ濡れの2人を見ても怒りも責めもしませんでした。何も言わずに入院の手続きをしてくれたようです。

そうして見舞いに来てくれた女々さんはエリオの父親のことについて話し始めます。外人の父親でエリオット…計算して出てくる…わけもなく…
どうやら格好良かったようなのですが、彼と関係が破綻したのは価値観の相違らしく、一緒に暮らしても上手くいかなかっただろう言います。
真はちょっと年の若い旦那さん代わり、と言われ、思わず布団にもぐりこんでしまいます。ポイント増加はなく、むしろマイナスしかけたくらい…。

(あの人と関わり合いすぎると、青春が強制終了しかねない気がする…)

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女々さんが去って行った後、真は現在の自分の青春ポイントについて考えてみます。随分適当につけているようですが、青春ポイントの3点以上は
自己基準に左右されます。もっとも分かりやすいのは好きな相手とのデートですが、片思いか恋人未満に限る。他には複数人との行動と言う
特別ケースもあり、文化祭など限定されていると、4点が与えられることも多い。そして個々の価値観で、これだ!と言う際立つ思い出があるなら、
それはその人だけの5点満点。トラウマと栄光の交じり合う境界性を踏み続けて疾走した人間だけが、最高点に到達できる。エリオは見舞いには
こないだろう…根拠なくそんなこと思っていると「マコちゃん、おっはー」と女々さんっぽい感じで見舞いにやって来たのはリュウシさんこと流子。
ヘルメットをかぶりながら自転車に乗ってきたことで、乱れた髪の毛を恥ずっちいと感じる彼女は、直そうと努力した結果、あまりうまくいかず
それを男物の帽子で隠します。真にとってその姿は最高。それはまさしく男と見間違えるほどに。「殴っていい?」笑いながら拳を丸める彼女。

(彼女の握った拳は、子供の手みたいに尖りが少なくて…)「ホント可愛いなこの人は」

思わず思ってたことが口に出てしまい、それを慌てて否定する流子。しなっと1年の時に男子二人に振られたことが明らかに。そして仕切りなおし。
流子が出してきたのはノートのコピー。もうすぐ中間テストだからだそうで、質問のお便りはどしどし受付中とのこと。そんなやりとりがあった後
流子から飛び出した質問は、真が海に飛び込んだ理由…。どうやら真が何をしたかは伝わっているようで、死ぬのは駄目だと流子は言います。
「本人はいいかもしれないけど、残った人は、絶対に悲しむと思うんだ」「そうだね、リュウシさんも悲しむだろうし…」「流子やちゅうに!」

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そんな話をしていると、なぜかナスの着ぐるみを着た前川さんがやってきます。病院だからナスとナースをかけたとのことですが完全に滑ってます。
そして前川さんが見舞いに来たことに、少し不機嫌になる流子。真はクラスでは前川さんと全然話していないため、いつの間に仲良くなったのかと、
流子は前川さんを意識します。「転校生と一夜を過ごしてからだな」「はっ!?」前川さんのことばに思いっきりショックを受ける流子。
「えん罪!いや、ねつ造だ!そんな、羨ましい体験学習は実施されておらん!!」と、真は反論しますが、実際に夜にあった時間を全部繋げば、
一晩くらいにはなるのではないか?と前川さんは言い、混乱した流子はそのまま病室を飛び出していってしまいます。本当にラブ度高めですね~。

「退屈と退廃の入院生活に爽やかな風が吹き込みましたね」「いや、暴風だろ…」

そしてナスを脱いだ前川さんは普通の制服姿になり、真が海に飛び込んだという話を切り出します。彼がなりたかったのは魚類ではなく鳥類の方。
言わずもがな、真の行動の意図がわかっている前川さんは、エリオに今度グレイの着ぐるみを一緒に着ようと伝えておくように真に言います。
そして突然、今年の夏は一緒に海に行こうという話に。すると、結構早めに帰ってきた流子が前川さんを突き飛ばした後、椅子に座らせ海は禁止、
男女で海は駄目だと言います。彼女としては、真と異性が海に行くことが許せなかったようですが、真は実際海どころではない生活をしています。
「転校生は、藤和のいとこなんだよ」内緒のはずでしたが、嘘ではないからそれは否定できない。むしろ正しいことを伝えるべきだと考えた真は、

「っていうか、エリオと一緒に住んでるんだけどね」「な、なんだって~!!」「いや、片方は知ってただろ」

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入院生活は2週間で終了。流子さんはエリオを気にしないと言いつつも行動はなんだかぎこちないようで。人間の心は異星人の存在に等しい。
エリオが布団を巻いていたのは、表層だけでも宇宙人と同等であろうと試行錯誤した結果なのかもしれない。彼女は正体不明になりたかったのかも。
そんなことを考えながら帰ってきた家には、大量の紙が貼られていて…机の上には冷蔵庫にお祝いのケーキが入っているという書き置きが。
試しに冷蔵庫を開けてみると、そこにいたのはホラーな女々さん。寒いと訴える女々さんは「マコ君の人肌で温めt…」バタン。閉めました…。
それはともかく、真の出所…もとい退院祝いということで、エリオを含めた三人で、外でご飯を食べることになり、真は彼女を呼んでくることに。

「俺がですか?」「それが、この家でのマコ君のお仕事よ!」

エリオの部屋へと訪れると、そこには簀巻きが転がっていました。「ただいま!」真の声を聞くと、いきなり簀巻きから脚が生えて怯え始めます。
「…腕、大丈夫…?」しかし布団から顔を出したエリオは普通に真のことを心配していました。そうして彼女は改めて自己紹介をおこないます。
「藤和エリオ16歳。職業は……家事手伝いです」外にご飯を食べに行くとのことで、エリオは布団を脱ぎ、そんな彼女に、真からも謝罪をします。
「夢を壊して、悪かった」「いいよ」彼女はむしろ、ちょっとだけ飛べたことを満足に思っていました。だから彼女はそのお礼を渡します。

ギャルのパンティーを…「まだ電波残留しとんのか!」「イトコは以前、お母さんにギャルのパンティーを所望してたから」
そして、エリオは学校をやめなければよかったと今更ながらに言います。しかし、それは別に就職に有利だからとかそういう話ではなく……。

「イトコと学校に行くの……楽しそうだから」

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外に出ると、そこでは既に女々さんが待っていました。ちなみに3人で行くというのに乗るのは自転車。運転するのは女々さんではなく怪我人の真。
そして真は思います。あの日、空を飛んだ日、自転車の速度が急激に上がらなかったら、飛距離を稼げずに絶壁から転落していたかもしれない。
なぜ直前になって、自転車は元の機能を取り戻せたのか、偶然で片付けてもいいんだけど、宇宙人はどこにいるのか、その疑問符が取れない限りは、
いくらでも価値のある問題であると。エリオは地球人だ。だけど彼女は本当に、この街を見守る宇宙人とやらに愛されているのかもしれない…。

『今日も自転車は空を飛ばない。宇宙人じゃない俺たちを、地球の何処かへ運んでいく…』

一方、ここは御生菓子 火星儀。その店のマスコットガールを目指す前川さんは、そのおかしなコスプレをしたままで店前の掃き掃除を命じられます。
外に出た彼女は、空を飛ぶペットボトルロケットを目撃しました。果たしてこのペットボトルロケットの意味するところは一体何なのでしょうか…?


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